ようこそ!
このブログでは、10年間に渡り国内大手生命保険会社で勤務した管理人が、生命保険業界を辞める決意をした理由や、保険会社で営業をすることのメリットデメリットについてまとめています。
今回は、生命保険会社にある、○○ならば成績を挙げろ!という風潮の異常性について書いてみます。
コレを読んでいる生命保険営業の世界を辞めようか迷っている人にも、はっきりと自覚してほしいと思っています。
あなたの勤め先も似たような成果主義がまかり通っていませんか?
それ、かなり異常ですから!!
成績が良ければ何でも許される異常ぶり
生命保険業界においては、成績が良ければ何でも許されるような風潮があります。
生命保険業界にかかわらず、営業職というのは、成績が重視される世界ではあります。
それは当然でしょう。
ただ、生命保険業界はかなりマズイところまで成績次第では許されるのです。
この徹底的な成果主義は、生命保険以外の業界で同じような規模の会社で営業をやっている人の比ではないと思います。
普通、そこそこの規模の企業で同じ事をしたら懲戒の対象になりそうなことでも、けっこう許されているのを何度も見てきました。
懲戒まで行かなくとも、かなりの問題になりそうな行為は、ほぼ黙認ですから、許されていると言ってもいいでしょう。
私は、生命保険業界以外でも営業に従事した経験がありますし、お客様で営業職の方もいます。
なので、狭い視点で見ただけの話ではないと自分では思っています。
私自身の経験や周りを見渡しても、生保レディほど成績がすべてな業界はあまりないと思います。
今回は、その極端な成果主義に異常性を感じた具体例を暴露しちゃいます!
セクハラを成績で見返す!?
私は未婚の独身で生命保険会社に勤め始めたんです。
だから、しばらくは自由な独身という立場で生保レディをやっていました。
そんなある日、同じ会社で顔も名前も知っているけど、拠点が違うサトウという女性リーダーと飲み会で同じテーブルになったんです。
サトウは50歳くらいで、非常にきつい性格だというので有名でしたが、そういう人はこの業界には山ほどいます。
ただ言葉があまりにきついんで、私はあまり関わりたくなかったし、関わる機会もなく過ごしていました。
そんな時ある飲み会で、本当に偶然同じテーブルになった4人のうち一人がサトウだったんです。
お酒が入って酔っぱらってきたのか、途中からサトウが私の事を独身いじりしてきたんです。
私の年齢は当時31とか32とかそんなもんです。
サトウの発言をまとめるとこんなものでした。
あんた独身なの!?
いくら一人でも楽しい独身生活だって言ったって、周りは歳を取れば結婚できない女だと思ってバカにされてるんだからね!
それを知らないと、一人さみしく変人だと思われて死んでいくんだから
いい歳して独身だなんて恥ずかしいと思いなさいよ
もう、30過ぎたら選んでる暇なんて無いんだから、さみしい年寄りの客でも捕まえて結婚しなよ
どうでしょう。
いくら酒の席とは言え、ひどくないですか?
これを、他の周りにいた人がフォローすることはありません。
課長クラスもいたのですが、聞いて聞かぬふりです。
こんなひどいセクハラ発言、厳しく叱責できなかったとしても、わずかばかりのフォローくらいしてくれてもよくないですか??
私はただ、サトウにバカにされるのみ。
最初は抵抗したり、今、一人でも楽しいんで大丈夫です…など言っていましたが、サトウは百戦錬磨のバケモンです。
わずかに抵抗したって、その10倍にもなって攻撃が返ってくるという始末です。
もう、言い返すより、好きなだけ言わせて早く終わらせたいと思い、必死にひきつった笑顔で乗り切りました。
このサトウ、かなりきつい性格で口から出る言葉はひどいもんですが、これについて行ける少数精鋭の部下をきっちり大事にしているので、ごく少人数のチームながらもリーダーとしての成績は会社からすれば申し分ないという立場。
許されるという事が、サトウもよくわかって発言しているんです。
この発言があまりにもショックだった私は、かなり落ち込みました。
たしか、この時は恋人もいなかったんです。
家についてから悔しくて泣きました。
そして、すごい悔しくて、翌日休もうかと思ったくらいでしたが、きっちり出社して、直属の上司に泣きながら報告したんです。
すると上司(女)が言ったのがコレ。
「それはね、成績で見返すしかないから」
社会人にもなって泣きながら上司に慰めてもらおうと思った私がバカでした。
それにしても、直接触ったなどではないけれど、ひどいセクハラ発言ではありませんか?
私の過去に勤めた職場では、言葉の酒席での言葉によるセクハラ事件が2件起きたのを知っています。
それも営業の人間の間で行われたものです。
この2件とも、会社が間に入って、セクハラをした側とされた側での謝罪と和解がなされましたよ。
どちらの事件も「成績で見返す」などという事にはなりませんでした。
そして、このサトウは当然おとがめなし!
あるわけありません。
セクハラを成績で見返すという発言が平気で出てくるあたり、生命保険会社の成果主義の異常性が凝縮されています。
そして、生命保険会社に長く勤務していると、その成果主義が板についてきちゃうんです!
これは異常なのではないか?と思う気持がありながら、半分は「ああ、やっぱり成績で見返すしかないんだな!」なんて思ってましたね。
コンプライアンス違反をして成績を計上することが「こだわり」と評価される異常
なぜコレが懲戒対象にならないのか???というレベルのコンプライアンス違反も許されていました。
ある拠点を任されている、タカダという拠点長がいました。
拠点長というのは、私の過去の勤め先がわからないようにぼかしていますが、ひとつの営業拠点で20人から30人くらいの生保レディをまとめている職種だと思ってください。
このタカダ拠点長、特別月とか保険月とか重要月とか各社によって言い方は違いますが、イベント的に契約を量産しなければいけない月にありえないこだわりを見せます。
この量産月間には、最終的な締め切りよりも前に、表彰大会のようなものがあって、その表彰大会の締め切りがかなり重要視されていますよね?
どこの会社も同じような運営なんです。
タカダ拠点長は表彰大会の時に、売り上げ目標に対する達成率をどうしても1位で表彰されたいというこだわりが異常なまでに強いんです。
だから、自分の拠点の生保レディにアメとムチで頑張らせたり、毎日いただけそうな契約を可視化してほかの拠点よりも1%でも高い達成率を目指しています。
ここまではどんな業界でも営業をやっていればある話です。
そんななか、タカダの拠点に、契約関係の書類が、遠方に住んでいるために郵送で届くのを待っている生保レディがいました。
このような郵送でやり取りした場合、契約関係の書類が手元に到着して、初めて成績を計上させる入力の操作が行われます。
そういう社内規定でしたし、手元に書類が無い状態での成績計上は重大なコンプライアンス違反です。
ところが、このタカダ拠点長は、その書類が表彰大会の締め切りに間に合わなかったため、手元に書類が届いていないのに、成績計上の入力をさせたというではありませんか。
誰がやらされたのか不明なので、タカダから拠点1位のためと懇願されたのか、書類が届かないことを叱責されて強要されたのか、タカダの信者のような営業だから喜んでやったのかわかりません。
でも、私なら絶対にそんな危険な事はしたくありません。
タカダ拠点長の暴挙はこれだけではありません。
先ほどとは別の生保レディがいただけるだろうと当てにしていた契約がいただけなかったのに、その成績を表彰大会の前日に架空で計上したんだそうです。
そして、表彰大会当日はその契約はいただけたように数字上は出てきますが、表彰大会翌日にはその計上した成績を取り消しにするんです。
こんな行為はかなり悪質ですし、私はどんなに成績的に惜しいところにいたとして、そんなことで1位になっても全くうれしいと思いませんが、タカダは全く考え方が違うらしい。
タカダは異常なまでの成果主義の世界に30年近くもどっぷりつかっているためか、その時は違反を犯して1位を取って嬉しそうでした。
私が知る限りでもこの時タカダが犯したコンプライアンス違反は2件。
この件を知っている、別の拠点長とタカダの違反行為について話をする機会がありました。
するとその拠点長はこう言っていました。
「タカダ拠点長は強いこだわりがあるから1位になれるの」
はぁ???
コンプライアンス違反を知っていて、強いこだわりと評価されている異常。
拠点の成績を1位にするために、架空の成果を計上し、翌日にはそれを取り消す。
こんなハイリスクなコンプライアンス違反を犯してまで、成績で1位になって表彰されるという事に何の価値があるのでしょうか?
そして、表彰大会の翌日に見た成績表では、タカダの拠点は2位だったんです。
つまり、架空の成績や郵送が未着の成果の入力を取り下げれば、正当な成績は2位という事。
それを異常なまでの成果主義で、どうにか1位にして、何がどう嬉しいのか、こだわりと評価されるのか、私にはまったくわかりません。
これは異常な状態ですし、この時は何人もがタカダの違反を知っていましたが大きな問題にもなりません。
そこそこの大きい会社では、こんなコンプライアンス違反を堂々を見過ごして「こだわり」などと評価されているということはちょっと考えられません。
○○ならば成績を挙げろ!に苦しむ
生命保険会社というのは、成績を挙げれば何でも許される世界なんだと私は思っていたし、実際そのような会話が度々されていました。
それとは逆に、嫌な事、悔しい事、言いたいことがあっても、成績が挙がっていなければ取り合ってもらえなかったり、きつく叱責されたし、それも当たり前だと思っていました。
今考えると、結果的には10年も勤務できたし、新人の育成も任されていたんだから、そんなに成績が悪かったわけじゃないんです。
でも、成績の面である程度の成果を上げても、もっと上もっと上と言われることが多く、結局、なにかを堂々主張することはできないままに10年が経ちました。
自分の成績が挙がっても、今度は新人の成績がまだだとか、採用ができていないから駄目だとか、そんな感じですね。
もし、あなたが生保レディなら、あるあるなんじゃありませんか?
例えば、私は在職中に結婚したので有り余る有休をたった3日使って新婚旅行に行くことにしたんです。
そして、上司にこの有給の申請をしたとき「だったらちゃんと今月のノルマをここまでに終わらせて同じチームのAさんとBさんの成績のめども付けてから行ってね」とか言われるんです。
でも結局AさんとBさんの成績のめどが付かないまま旅行に行くことになってしまいます。
といっても最終的な締め切り前の事なんですよ。
すると「そんな状態で旅行なんて行って楽しいの?私ならとっても行けません!!!!」と言われて途方にくれました。
休むんだったら成績を挙げろ!というのはよく言われました。
そりゃ、確かにそうだけど…
私は比較的、会社が休みな土日もご契約のためなら自主的に出社して、手当があるわけではないけれど文句を言ったこともありません。
でも、ごくごくたまの有給申請は「休むなら成績を挙げてから」と言われるのが常でした。
それに、しまいには、30歳を過ぎた私の出産の時期まであれこれ言われるに至りました。
ある時、妊娠時期の相談をしたわけでもないのに、上役との面談で「妊娠したいんだったら成績を挙げてから」に近い事を言われ、今までがんばってきたことがバカらしく感じたのは言うまでもありません。
上役って、直属の上司なんてレベルじゃなく、ある広域のエリアを任されている、かなりのお偉いさんなんですよ。
そんな人が、30過ぎた女性社員の妊娠時期に口を出すって、ちょっと問題のある会社と言われてもおかしくない。
さすがの私も、異常なんじゃないか?と気づくきっかけとなりました。
異常なまでの成果主義で妊娠時期まであれこれ言う、コレを変だとも思わない人間が偉くなっているのが生命保険の実態です。
そして、長く保険会社に勤めれば、アレ?と思いながらもそれが当たり前のように感じてしまいますし、自分もそう思ってやってきた節はあるんです。
でも、そんな狂ったような成果主義、ハッキリ言って時代錯誤です!!
