現役生保レディの方からの、苦しみを訴えるメッセージが問い合わせフォームから多数寄せられています。
当ブログにお越しいただきまして、ありがとうございます。
私は、生命保険会社で営業職員として10年以上勤務したキャリアがあります。
現在は退職しております。
このサイトでは、私自身が生命保険会社に勤務している中で感じた、生保レディとして働くことのデメリットや生命保険会社の闇について等、様々な内情を暴露しています。
コロナウィルスが拡大し始めてからというモノ、このブログのアクセスは急激に伸びました。
また、現状に困り果てて問い合わせフォームから窮状を訴えるメッセージも送られてきます。
今回の記事では、コロナ禍における、生命保険会社の販売自粛とその後の展開を私なりに予測してみました。
私は過去に長年勤務した経験をもとに、経済紙を参考にしたり、現役で生命保険会社に勤める知人などから情報を得て、自分なりに出した意見をこのブログで公開しています。
私の考えや意見に相違のある方もいるかと思います。
このブログに書かれている事はすべて、私なりの視点で予測した未来ですから、皆様それぞれのご意見があってしかるべきと思います。
ご興味のある方のみ、お読みになってくだされば幸いです。
このブログのすべての記事は、あくまでも一人の生命保険業界にいた人間が感じた事を書いているもので、すべての方に退職をすすめているわけではありませんのでご了承いただいたうえ、最終的な退職は自己責任にてお願いします。

目次
生命保険各社に広がる販売自粛と給与保障
コロナウイルスが拡大し始めた初期のころ、私の予想は、生命保険会社は販売の自粛や訪問の自粛などしないという考えでした。
ところが、コロナウィルスが急激に加速し始めてから、業種問わず、不要不急に営業職員が動き回るというのは非難される対象となりました。
このブログを書いている4月下旬、すでに生命保険会社は全国の営業員の活動を自粛させていますが、この判断が出るのは決して早いほうではありませんでした。
他業種の営業マンが、すでに活動を自粛している状況でも地方の生保レディなどは通常業務を強いられていたんです。
ほとんどの生命保険会社は、全国に緊急事態宣言が拡大した4月16日の段階でも、営業活動の自粛はしていないのが実情でした。
それどころか、コロナ拡大のさなかで「契約内容のご確認」などと言って訪問のアポを取ろうとしている事が各所で問題となってすらいました。
生保レディと話をするなんて、距離は近いですしセンシティブ情報を扱うという特性からも密になりやすい。
さらに言えば、契約の確認や訪問のアポが生保レディにとっては急を要する業務だとしても、世の中のほとんどの人にとっては不要不急であり自粛してほしい限りでしょう。
緊急事態宣言の拡大以降から、世間的に生保レディの活動に対する風当たりは非常に強くなりましたし、政府や地方自治体からの企業活動に対する自粛要請もかなり強めになってきました。
そのような世間一般や政府の自粛要請も訪問自粛・販売自粛には影響があったと感じますが、一番大きなきっかけは、金融庁からの対顧客業務に対する基本的な考え方が示された事でしょう。
4月16日に金融庁からは、極力対面での業務を避ける事、従業員の出勤を最小限にとどめる事などが明示されています。
表向きホワイト企業である生命保険会社ですから、ついにはお客様先への訪問の自粛をせざるを得ない状況に追い込まれたのでしょう。
ここで活動を続けては、企業としてかなりマズイ事態になるという事を認識したのでしょう。
なにしろ金融庁からのお達しです。
全国的に新規保険募集すら自粛するに至りました。
常識的な生保レディの方は『新規募集を自粛せよ』という方針に胸をなでおろしたところでしょう。
一般的に、生命保険業界の上司という存在は「対面がダメでも郵送や電話で新規募集しろ」って言ってきますよね。
7都道府県で緊急事態宣言が出されたころ「電話で営業して郵送で募集すればいい」という事を言っている拠点長を私はこの目で見ました。
他にも、営業電話をかけるようプレッシャーをかけられるので悩んでいるということで、問い合わせフォームから相談を寄せる方もいました。
なので、会社の方針で新規の募集を自粛することは一部の生保レディにとっては安心材料だったでしょう。
ところが、給与面の心配が出てきますよね。
生保レディの給与形態は歩合が大きく占めるものですから、私もその部分がどういう対応になるのか気になっていました。
今のところオープンなソースで確認できるのは一部の保険会社のみですが、営業職員の収入も何らかの形で保障するという事にもなっているようです。
これは私は想定外でしたので、かなり驚きました。
オープンソースで確認できるのが一部と言っても、生命保険会社のコロナに対する対応は各社横並びとなっている事が多いので、かなりの数の生命保険会社が収入を保障した形の自粛体制に入っているのだと思います。
生保レディはの給与形態は、基本給と歩合の2本柱です。
基本給だけならまだしも、歩合も含めて保障するという話にもなっているらしいのが本当に意外なところです。
私自身は、生命保険会社は販売の自粛には切り込んでも、歩合を含めた給与保障まではしないと考えていたので、かなり驚きました。
そこで、どうして給与保障までする流れになったのか、私なりに考えてみました。

生保各社が給与保障してまで避けたい最悪のシナリオとは?
生命保険会社にとって、新しい生保レディの人材を確保するというのは新規の生命保険の募集より重要な責務とされています。
さらに言えば、各社は表向きは保険料収入で競い合っているように見えますが、その実態は生保レディの数で競い合っていると言っても過言ではありません。
地方の支社単位の話であっても同じで、同じ地域の別の保険会社の支社の人数なんかは相当意識していますよね。
そして、採用を増やして追いつけ追い越せとしのぎを削っているのです。
そんな中、活動の自粛、新規募集の自粛となれば、人材の流出につながりかねないのです。
というのも、特に成績上位者は、給与に対する歩合のパーセンテージが高いこともあり、募集を自粛したら給料に大きく響きます。
これが1ヶ月だけだったり、先が決まっている話ならまだしも、長引く可能性すらあります。
いつまで募集活動が制限されるのかもわからず、給料もガタガタになるとわかれば、生命保険会社が恐れる最悪のシナリオが待っています。
それは、全国各地で生保レディが大量退職するという非常事態です。
生保レディの仕事というのは、全くラクではありません。
しかし、きっちり成果を出せば他では得られないような収入を得られるから、どうにか頑張れるものですよね。
生命保険会社にとって貴重な人材である生保レディは、ただでさえ離職率が高いのです。
それが、思ったような収入を得られないとなれば、これを機に会社を見限る危険性が高まります。
しかも、自粛は一部地域ではなく日本全国にまたがっているのです。
生保レディの全国大量退職という最悪のシナリオを回避するため、自粛と収入保障をセットにする必要があったのです。
それができるのも、生命保険会社がたっぷりとキャッシュを保有しているからですね。
この点については、ホワイト企業ゆえの恩恵を受けることができると言えるでしょう。
その分高い保険料を払っているお客様の存在も気になるところですが、財布が許す限りは収入を保障してくれるようです。
新規募集せずとも収入を保障するなんて、前代未聞の展開になっていますが、それだけ生命保険会社も苦しい立場に追いやられているという事でしょう。
自粛後に生保レディを待ち受ける大問題
私の所に入ってきている情報から考えると、自粛後の生保レディは今までに輪をかけて、より一層厳しい戦いを迫られることとなりそうです。
訪問自粛しても電話営業のノルマあり
複数から聞いた話では、自粛と言っても給料は出すので、訪問以外の仕事をするように言われているようです。
積極的な新規募集の案内や、アポを取る電話は禁止です。
しかし、そこに触れないような電話はかけろと。
顧客に電話をかけまくれば、何かしら困っていたり、いい話があったり、という可能性もあります。
自粛後に訪問しますね!という話にでもなれば儲けものです。
こうやって、顧客をつなぐような指導がなされている拠点もあるようです。
ところが、このタイミングでお客様に電話するなんて、胃がキリキリしませんか?
そこは、募集とは関係なく、お客様が何か困っていないか?体調を崩していないか?など気にかけて電話した感じにするよう、きっちり指導は受けていると信じたいです。
イヤイヤ電話すると相手に伝わるものですから、お気を付けくださいね。
会社が「電話をしろ」と言うのは、コロナ自粛後はきっちり募集してもらうという事なんで、できればその辺もわかってあげてください。
出入り禁止の事業所はどうなるのか?
名前を聞けば子供でも分かるような巨大企業でも、様々な事情で各生命保険会社の生保レディが全国各地の事業所や従業員の休憩室に出入りすることを許可していました。
そういう巨大企業はいくつかありますよね。
生命保険各社が出入りできる人数制限があったりしますが、どの会社も正式な出入り許可の下で、数多くの従業員に対し効率的にアプローチすることが可能でした。
ところが、コロナの影響で大企業を中心に生保レディの出入りを禁止する流れができているようです。
これは、現場で働く生保レディ等からも情報が得られています。
緊急事態宣言を待たず、かなり早い段階で生命保険会社の出入りを禁止した事業所もあるようです。
さらに、巨大企業でなくとも、今まで出入り許可を得ていた事業所が、コロナを切っ掛けに休憩室の出入り等を禁止するという流れもあるようです。
このように出入り禁止とした事業所のうち一部は、もしかしたら今後は生保レディの出入りが解禁にはならないのではないか?と思うのです。
というのも、生保レディが休憩時間や終業後に活動することについて、あまりよく思っていない人も多いのです。
それでも、何年も通っている人を、いきなり出入り禁止にするって日本人の発想としてはちょっと言いにくいですよね。
それが今なら「コロナウイルスによる接触を避けるために」という魔法の言葉を使えば、いとも簡単に出入りを禁止することができるのです。
過去には、個人情報保護法が成立し、個人情報保護の観点から出入りを禁止する事業所が多数ありました。
これによって、出入りができなくなり、行き場を失った生保レディは数多くいるはずです。
それが、今度はコロナウイルスで個人情報保護という概念が無いような休憩室なども出入り不可能となるわけですね。
そして、悲しいことに、一度出入り不可能にした事業所が、再度解禁することはあまりないような気がします。
なぜなら、もともとあまりよく思っていない人が多くいる中で、生保レディの出入りを禁止にできたのに、わざわざ解禁するでしょうか?
もしも私が生保レディの出入りをヨシと思っていない人間であったとして、生保レディの出入りを決定できる立場であれば、一度禁止した出入りを解禁することはありません。
「今後も従業員の健康管理の観点から、従業員以外の立ち入りを禁止することにしました」
とでも言いますね。
まず、今の時期はこの世の衛生に対する意識が格段に向上しているんです。
その上昇した衛生に対する意識は、今後もある程度高い水準のまま維持されるはずです。
誰それ構わず話しかける生保レディは確実に飛沫を飛ばしていますよね。
近くでしゃべるという事自体が決して衛生的ではないし、コロナでなくてもインフルエンザなどでも、移る病気を生保レディが持っていれば従業員が感染するリスクが上がるのです。
そういう危険性をこの世の多くの人が知ることとなったのです。
だから、従業員以外の人を出入り自由にしないというもっともな理由ができました。
もし、コロナで出入り禁止になった事業所がある生保レディは、そのすべてが元に戻るとは考えないほうがいいでしょう。

コロナの遅れを取り戻す猛販・爆販できますか?
『コロナウイルスによる景気の悪化は金融危機までつながっている』というのが私の考えです。
多少大げさに感じる人もいるかもしれませんし、信じられないという人も多数いるでしょう。
実際、生命保険会社の支社レベルの人間は金融危機等については全くそんな風に思っていません。
そんな可能性すら感じさせません。
もしかしたら、心の奥底では危機感があっても、決して末端の生保レディや外部の人間には見せないだけかもしれませんね。
そして、支社長や支社レベルの部長や地域の拠点長は、この自粛が終わった先には、また今まで通りのような訪問をして販売をするという前提で話をしてきます。
自粛が解禁になったのちには、新規の保険を猛販・爆販し、生命保険販売の現場というのは徐々に元に戻るというような事を言うのです。
コロナウィルスにより、保険の大切さが多くの人に伝わり、保険に加入したいというニーズは加速する、より良い保険に見直したいというお客様がたくさんいる。
そのために、訪問活動をするのが生保レディの使命である。
という話ですよ。
そんなことがあり得るでしょうか?
私は、このような話を直接聞く機会があったので、この話を聞いて愕然としました。
それも緊急事態宣言全国拡大後ですよ。
私は以前より、国内生命保険会社のコンサルティング型保険営業自体が淘汰される運命にあると予測してきました。
今までのような高コストな大量採用を前提としたビジネスモデルの維持が難しい事。
各事業所や個人に深く入り込んでいくような営業スタイルが時代の流れに合わないことをその理由として挙げてきました。
しかし、今後10年とか、もっと長いスパンで徐々に淘汰されていくという予測を立てていました。
それでも、ごく一部には営業員との対面による保険の提案を絶対的に求める個人や企業は残るものです。
そのごく一部のニーズには今よりもずっと少ない、ごく少数ながら精鋭の営業員が対応するような形になると考えていました。
その流れが、このコロナウイルスで一気に加速したんです。
徐々に狭くなると予測した生保レディの販路は一気に狭くなり、完全に元に戻ることは無いでしょう。
それに、この外出自粛傾向は日本経済に大きなインパクトを与えています。
この状況に保険どころではない個人が多く発生するでしょうし、企業は貯蓄型の保険を解約し生き残りにかけることになるでしょう。
先が見えない中では新規契約は控える、既契約は解約して現金を得る。
これがこの先の保険に対する考えではありませんか?
コロナで保険の大切さが身に染みて契約するってどうなんでしょう?
しかも、保険会社はここ数年は解約返戻金のない保険を多数販売していますよね。
そのような事は、契約段階ではお客様はあまり確認してこないかもしれませんよ。
しかし、自分の加入した保険が「いざという時に解約しても1円も戻ってこない保険」だったと知ったら、それこそ何のために保険に入っていたんだ!!と絶望しそうですよね。
この場合、契約時にその辺をきっちり確認していないお客様が諦めるしかないのですが、保険とは解約返戻金があって当然的な思考の人もいるのでね。

厳しすぎる市場で苦戦を強いられる生保レディ
コロナウイルスの拡大で、対面営業の価値そのものの根幹が揺らいでいます。
生命保険に限らず、対面じゃなくてもいい物は非対面で行う、それが今後の当たり前になるでしょう。
証券市場は現実にほとんどの取引がネットで行われています。
生命保険もそれに続くのだと思います。
だとして、国内生命保険会社はとにかく訪問訪問という訪問型営業を行ってきましたし、対面であることにその価値があるとしてきました。
高い保険料も対面取次というきめ細かいサービスが受けられるからだと。
しかし、生命保険会社の言う対面コンサルティングという事にそこまでの価値が無かったというのが私の考えです。
もともと高い保険料ほどの価値がない対面営業によるコンサルティングですから、時代が非対面にシフトすれば苦戦を強いられるでしょう。
いままで非対面など考えもしていなかった人たちが、非対面でいいじゃないか!となれば、あえて高い伝統的な国内大手生命保険会社から保険に加入する必要はありません。
今から3年ほど前まで「ガラケーしか触れないし、ガラケーで十分、スマホは高いし不要」と言っていた人がたくさんいますが、今では軒並みスマホを使っていませんか?
この事自体が、すでに時代の流れが変われば、ユーザーもその流れに遅かれ早かれ乗るという事を象徴しています。
そして、スマホをほとんどの人が手にした今、ネットで検索して保険に加入するという事のハードルはぐっと下がっているんです。
そして、ネットで加入できる保険は非対面ですが安い。
コロナによる自粛をしている現在、保険会社は入院給付金の請求などはコールセンターの利用を推進しています。
この時点で、すでに対面募集している意味がなくなっているし、コールセンターを使ったほうが早くて簡単だし、営業員を呼ぶより時間の節約にもなる。
お客様がそれに気づいてメリットを感じたら、もはや生保レディの仕事は不要になるのです。
対面コンサルティング?そんなものはファイナンシャルプランナーしかできない技術でもなんでもありません。
今時は自分が今死んだらいくら必要なのか、入院したらいくら必要なのか、スマホで調べればすぐに答えが出てきます。
ネットで欲しい情報が何でも手に入ります。
営業という市場が非対面へと進化していく中で、現場を回って対面で高い保険を募集する。
それが生保レディの仕事なんです。
もともと生保レディの市場は厳しい物でした。
しかし、コロナウイルスの影響で、それはもう厳しいというか無理があるのではと感じます…
苦戦することは間違いありません。
今年の1月までも毎月苦戦していたのに、それがさらに厳しくなる、想像できますか?
それでも生保レディの仕事が好きで続けたい、そういう人もいるでしょう。
ただ、あなたが戻る現場は、とてもとても厳しい世界なんだという事、そして会社はいつまでも収入保障をしてくれるわけじゃないという事を忘れないでください。
会社だって、必要に駆られれば変化をするかもしれません。
採用前提のビジネスモデルから脱却したその先のしなりをが既に用意されているかもしれません。
とにかく、今のままではいられない、何か変化があると考えられます。
その変化がどんなものなのか?
それはまだ私の考えがまとまっておりませんので、もう少し情報を精査し、自分なりの意見があればまた記事を書きたいと思います。


