保険会社の闇

昨年比200%のライフネットとネットに弱い国内大手生保

ご覧いただきありがとうございます。

このブログを書いている現在、国内大手生命保険会社のほとんどが、拠点の窓口を閉鎖して、営業職員の対面活動を自粛している状況です。

そして、週明けには緊急事態宣言の解除に伴い、営業が再開される会社もあれば、しばらくは様子を見るという会社もあるとの情報をいただきました。

 

そんな状況ですが、今回はライフネット生命の業績が好調とのことなので、少し触れてみたいと思います。

 

生保レディが自粛した1ヶ月で昨年比200%のライフネット生命

国内大手生命保険会社の営業職員のメインの仕事は対面の営業やアフターサービスですよね。

基本的には、対面で契約やアフターをするのが伝統的生命保険会社のやり方なのです。

そのため、各社は多くの生保レディをどんどん入社させ人を増やすという方向で足並みをそろえていました。

 

そんな状況でコロナウイルスによる対面活動が自粛されることとなったのです。

 

各社が対面での営業を自粛する前は『コロナで在宅率が高いからどんどん訪問をする』という方針で動いていた会社や拠点もあるようですが、結局は世間がそれを許さない状況になりました。

また、緊急事態宣言の発令もあり、4月の半ば過ぎには各社が次々と営業自粛に追い込まれました。

そして、新規の保険募集事態も自粛しているという状況です。

保険の募集が全くできないという状況は、国内大手生命保険会社にとっても緊急事態でしょう。

今後の不安を感じている生保レディもたくさんいると思います。

 

そんな4月において、昨年同月比200%の契約件数をあげたのがライフネット生命です。

ライフネット生命の2019年4月の契約件数は5065件だったものが、2020年4月には11078件になったというのですから、まさに倍増。

 

コロナウイルスという事態に直面した人々が、自分の保険を見直すきっかけになったことが大きな要因でしょう。

また、在宅勤務や休業で在宅時間が長くなり、パソコンやスマホで調べたり加入したりする時間がたっぷりあった人も多かったと思われます。

中には、コロナウイルスが原因で収入が減少するという事で、安さが売りのライフネット生命に乗り換えた人もいるでしょう。

 

ライフネット生命の広報担当も「契約数の急増にコロナ危機の影響があることは間違いありません」と説明をしています。

件数こそ少ないが伸びしろは十分

私も、今回のライフネット生命のリリースを見て、改めて自分の年齢性別で、ざっくりと必要保障額を見積りしてみました。

すると、国内大手生命保険会社の半分まで行きませんが2/3以下の保険料なんですね。

非常に安い印象です。

コレを見れば、国内大手生命保険会社の顧客は心が揺れるでしょう。

特に、一度も病気もケガもなく、保険料だけ払い続けているような人にとってはモヤモヤするものだと思います。

 

 

ただし、ライフネット生命が業界内でシェアがあるか?競争力があるか?と言えば、現状はシェアは非常に少ないですし、競争力もどうかな?とったところですね。

 

ライフネット生命の契約件数が昨年同月比200%になろうとも、4月の1ヶ月で約1100件でした。

生命保険協会のデータによると、2019年の個人生命保険の新規契約件数は(転換を含み)2253万件なんです。プレビュー (新しいタブで開く)

この調子でライフネット生命が今年中は毎月1万件近い契約をあげて、合計で年間12万件の契約をあげたところで、生命保険の新規契約全体の1%にも満たないレベルなのです。

 

人間というのは、自分が万が一の時のために毎月お金を払うなんてことは本当はしたくないんです。

したくない事をするのには腰が重いですから、生命保険は不要不急な商品の代表格なんです。

だからこそ、生保レディのような生命保険営業が存在し、その必要性を訴えて、面談回数を重ねて契約にこぎつけるのです。

ですから、そもそもライフネット生命のように見積フォームがオープンにされていたとしても、そこに年齢や性別を入れて見積もりをしようという気にすらならい。

それが普通なんです。

さらに、見積したからと言って、そのままお申込みボタンを押す人など本当に少ないと思います。

 

自分が保険募集をしていた身としては、生命保険という商品は、待ちの姿勢ではなかなか売れない商品なんです。

 

それでも、結婚や出産、身近な人の病気やケガなど、どうしても保険の検討や見直しをしなければいけないようなシーンは来るものです。

そんな時、非対面やネットに抵抗がない若い世代の方などは、ライフネット生命を選択肢にあげるのだと思います。

 

私の考えでは、生命保険業界全体としての競争力は今一つなライフネット生命ですが、ネットで加入する生命保険という点においては非常に強いと思います。

ネットで保険に入ろうと思った人がライフネット生命を選択肢に入れる確率は非常に高いはずです。

結果的に、ライフネット生命は生命保険全体から見たら契約件数こそ少ないものの、ここ数年はずっと右肩上がり。

しっかり結果は出しているんです。

そして、コロナでまた一気に伸びてきました。

ライフネット生命がコロナで契約件数を伸ばしたと報道されれば、今まで検討していなかった人の中には、検索で見積フォームにたどり着く人もいるでしょう。

 

もともとここ数年は昨年比を伸ばしていたライフネット生命ですが、今後の伸びしろも十分に感じられます。

 

ただ、私は個人的にはライフネット生命の商品が何か特別いいところがあるか?と聞かれたら、商品自体はさほどいいとも思えないので、自分では加入しようとは思いませんけれど…

 

国内大手生命保険会社のネット対応が遅れる理由

生命保険営業を大量に採用し、対面での活動を重ねるというのは、ネット系生保とはまったく逆のスタンスです。

とにかくマメに顔を出して対面で営業するのが生保レディのやり方です。

そのやり方が、現在は厳しくなってきているので、生保レディにとってはやりにくい時代なんです。

その辺の事情は過去記事にも書きましたので、興味のある方はご覧ください。

 

そして、国内大手生命保険会社というのは、とにかくネット集客に弱いです。

各社とも立派なホームページはありますが、そこから保険を募集しようという気持は微塵も感じられません。

契約者向けのアプリなどを出している会社もありますが、基本的には使い勝手が今一つと思います。

ネットとか、オンラインとか、その辺にはイマイチ乗れていないんですね。

 

大手生保はとにかく、対面営業・対面募集・対面取次がその高い保険料の前提なのですから、ネットだのスマホアプリがおろそかになっていても仕方ないでしょう。

さらに言えば、お客様も生保レディという担当者がいるという事で、ネットやスマホから何かしようという気にはならないものです。

若い人でも、担当の生保レディがいるとなれば、何かあればその人に聞くというスタンスなのではありませんか?

 

今回のコロナ騒動では、各社のコールセンターへの電話がつながりにくい状況になっていますよね。

そして、ホームページ上には『契約内容の変更や照会は、ネットからもできます』とトップに書かれているのです。

はたして、自分の契約内容を照会したり変更したりできる人が、国内生命保険会社の顧客でどれほどいるのでしょう?

いつでも呼べば来てくれる担当がいる環境で、ログインのためのIDやパスワードなどもわからない人がほとんどではありませんか?

 

私自身も現役生保レディのころは、ちょっとした契約変更でもとにかく顔を出して対面取次する、というスタンスでした。

もちろん、ネットや郵送でも可能ですが、お客様からの要望が無ければ郵送など使いませんし、ましてネットなどは案内もしませんでした。

私という担当がいるのに「契約内容の変更はネットでやってくれ」ってのはちょっと違うんじゃないか?と思っていましたので。

 

なにか依頼されたとき、郵送や電話ならまだしも「ネットで」とは言いにくいものですよね。

これは、生保レディ経験者ならわかると思います。

 

そして、どんどん顧客対応をネットで行うという方向への設備投資は遅れるのです。

結果的に、今回のコロナ騒動で、国内大手生命保険会社のネット対応の弱さが浮き彫りとなりました。

 

 

ABOUT ME
fp-miyabi
20代半ばで大手国内生命保険会社の営業職に転職してから、10年間にわたり保険外交員(生保レディ)として働いてきました。採用やマネジメントも経験したうえで、なぜやめる決断をしたのか?やめて後悔していないのか?など、生命保険営業をやめる事について私なりの考えをブログを通して発信しています。

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